女の子の、すこやかな成長を祈る節句の行事の「ひな祭り」は皆さまよくご存知の行事ですよね。
ひな祭り、と言えば「うれしいひなまつり」の曲を思い出すのではないでしょうか?
この誰もが口ずさめる曲、実は作者の悲しみが込められている曲なんです。
「うれしいひなまつり」に隠されている、知られざる都市伝説を紹介いたします。この曲の作曲者は河村光陽さん、作詞者はサトウハチローさんで1935年に作られた曲です。
1) あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花 五人ばやしの 笛太鼓 今日はたのしい ひな祭り (2) お内裏様と おひな様 二人ならんで すまし顔 お嫁にいらした ねえさまに よく似た官女の 白い顔 (3) 金のびょうぶに うつる灯を かすかにゆする 春の風 すこし白酒 めされたか 赤いお顔の 右大臣 (4) 着物をきかえて 帯しめて 今日はわたしも はれ姿 春のやよいの このよき日 なによりうれしい ひな祭り
① お内裏様=おとこ雛、だと思ってる方が多いと思いますが、実は違うんです。お内裏様とは、男性のひな人形と女性のひな人形(男女一組)の二人を指しています。そしておひな様は、女性ひな人形のことを指しています。そうすると「お内裏様とおひな様」という時点で男女ペアのひな人形ともう一人のひな人形の計3人ということになり、「二人並んで」という二番の歌詞は間違っていますね。
② おひな様をよく見るとわかると思いますが、「ひげがある左大臣のほうが赤い顔をしている…」と思ってしまいますよね。正しくは、赤い顔に白ヒゲのほうが「左大臣」です。そして、色白の若いほうが「右大臣」。つまり赤い顔をしているのは、右大臣ではなく左大臣なのです。
③ 歌詞の中に出てくる 「お嫁にいらした姉様」のところです。この姉様は、実はサトウハチローさんのお姉さんの事だと言われています。サトウハチローさんには、18歳で亡くなってしまったお姉さんがいたのです。結婚も決まり、幸せになろうとしていた矢先、結核で他界してしまったそう。「うれしいひなまつり」はサトウハチローさんの、お姉さんに対する鎮魂歌(レクイエム)「雛人形をみるとお姉さんを思い出して恋しい」といった思いも込められていたそうです。あえて官女の白い肌を、お姉さんと似ていると表現したのかもしれません。